過払い金の計算について

取引履歴の一部しか開示しない業者に対しては、残高ゼロ計算で過払い金を請求しよう!

通常、過払い金の請求をするには、いつから借りていつ返したかの詳細がわかる
「取引経過(取引履歴)」が必要になります。

なぜなら、記憶だけを辿って計算をした場合、取り返せるはずの過払い金を請求しそびれるケースもあるからです。
最近では、取引経過の開示義務が最高裁判例により認められたことにより、
すべての取引を開示してくる業者も増えてはいるものの、
10年前、15年前の記録ともなれば、業者もそう簡単には出してきませんし、
未だに途中までの取引経過しか出さない業者も少なくありません。
「5年前までのものしか開示できません」
「10年も前の取引記録なんか保存していない」
このように、貸金業者から開示を拒否されたとしても鵜呑みにしてはいけません。

なぜなら、取引経過は業者にとっての大切な顧客情報です。
その情報を自ら破棄することなどあり得ないと言っていいでしょう。
ですから、「保存していない」のひと言で諦める必要などないのです。
取引開始の時期が明確に把握できていれば、それが一番確信ある情報となりますが、
たとえ記録として手元に残っていなくとも、記憶としてあなたの脳裏に残っていれば、
取引経過を再現し、推定計算によって過払い金を割り出すことができます。
ただし、10年、15年前ともなると、記憶そのものが怪しく、信ぴょう性に欠けるものとなってしまう可能性があります。

では、10年前の借入は諦めたほうがいいのか?
いいえ。たとえ記憶が曖昧だとしても、すぐに諦めないでください。
業者が出してきた取引経過が途中までのものだとすれば、
そこに記載されている初めの金額は、当然、取引途中の残高になっているはずです。

しかし、その残高は果たして法定金利に従って計算された残高でしょうか?答えは明確です。
法定金利を超える違法金利で計算された残高ですから、実際の残高は記載されている額よりも少ないはずです。
もしも業者が「きちんと計算してあるはずだ」と主張してきたとしたら、
「取引経過がないのですから、それを証明することはできないですよね?」と強気に出てください。
業者が取引経過をすべて開示できないというのですから、
“いくら”を“いつ”から借りたからわからないと自分たちが証明しているようなものです。
平成21年6月18日の名古屋高等裁判所判決では、
過払い金が発生している可能性があるにも関わらず取引経過の一部を開示しない業者に対し、
「被控訴人の借入残高を0円であるとすることの当否」について、下記のような判決が出ています。
「控訴人は、平成3年11月11日に被控訴人が1万6000円の返済をする前の時点での借入残高は、
27万1371円であるから、平成3年11月10日の時点での被控訴人の借入残高を0円であるとすることはできないと主張する。

過払い金を請求するとどうなるの?

払いすぎた額の請求と貸金業法について

テレビやドラマなどでもみなさんがご存じのように
消費者金融は、その背景には、過剰な融資や高い利息、
過酷な取りたてにより、「サラ金地獄」という言葉がたびたび使われるように
なって、「サラ金」のイメージが著しく悪くなったことから
クリーンなイメージを計って「消費者金融」と呼ぶようになったのですが、
現在も=サラ金 というイメージはぬぐいきれません。

その根元たるものは、返済に苦しむ利用者の自殺(過剰で乱暴な取り立て、精神的な苦痛、高金利など)
の増加が指摘されており、返済を続けても、完済が困難である状態は「
サラきん地獄」とも呼ばれています。2006年8月には、消費者金融の
大手5社を含む10社が、融資の際に借り手を生命保険(消費者信用団体生命保険)
に加入させ、業者を受取人にしていることも明るみに出ました。
本人が契約自体を知らない場合もあり、保険金は遺族を素通りして借りた会社に
支払われるという以上な事態、また保険金目当ての殺人なども起こったことと
自殺者全体については、
自殺率(人口10万人あたり、厚生労働省人口動態統計)は1997年から
1998年にかけて18,8人から25,4人へと急増しており、
自殺者数(警察庁「自殺の概要資料」)は急増しているといいます。
警察庁の統計によると、2006年の自殺者数32155人について
失業、多重債務などの経済苦が原因とみられる自殺者は約8000人と
されています。
また、2005年における大手5社利用者の自殺は判明しているだけで
3649件で、20歳以上の死亡者に占める自殺者の割合は2,8%(
であるのに対して、金融庁などによると、大手5社利用者の死因判明分に
占める自殺率は25,5%という高確率な統計も出ています。

現在の不況から、業者も黒字ではありながら、減益という事態も
出ておりますが、不景気のなかでいまだ、苦しむ人々は後を絶たず、
自殺者は過去最多に登ろうと言うところです。

そのような背景からも、貸金業規制法や金融庁のガイドラインが
厳格な規制を強いることで、以前よりは無理な姿勢がとりにくくなったものの、
ヤミ金(無許可の高利貸し、無理な利息で新聞広告などに出している
街きんのような手軽な存在のモノ)はいまだ活動を続けており、
法令でも過剰貸し付けの禁止、強迫による取り立ての禁止、
指定時間外の取り立ての禁止、勤務先への取り立ての禁止などに
ついてこれに違反があるようであれば刑事告訴なども行えることになっています

過払い金の返還のケース

過払い金の実際のところをケースをまじえて紹介します。

ケース1  返還された過払い金350万以上

Aさんは、10社以上の信販会社から借金をしており計算をし直したところ
莫大な払いすぎの金額であったため、弁護士を立てない本人訴訟を
起こした。

この経験をもとにAさんは以後、多重債務の方を励ます活動を行っている。

もともとAさんはサラリーマンであったが、退職し自分で事業を興した。
しかし業績があまり良くなく、多額の開業資金を必要としたこと、
トラブル続き出会ったこともあり、大手の信販会社から10万を
すぐに返すという予定で初めて借り入れをした。

これが雪だるま式の始まりで、高金利であったため
すぐに返すことができなくなり、借金を借金で返す羽目になる。

また別の借入先、また別・・・と10社以上に借入を広げ
月々に15万以上返済することになってしまった。

勿論自分の事業が追いつくはずもなく、食べるのも難しい生活に。

途方に暮れていたところ、図書館で「サラ金訴訟の本」を見つけ
読み漁ったところ、「法定金利」に基づいた法定利息の
過払い金というものがあることを知った。

Aさんは早速、自分の借入履歴を振り返り、金額と日時をあわせて
計算をはじめていったところ、まったく払う必要のないお金を
返済し続けていたことが判明した。

そこで弁護士を雇うお金もなかったAさんは、
本人請求という手段を選んだ。

まず、債権会社に返還請求書を送り、その後応じなければ
調停の申し立て、提訴、といったステップを踏んだ。

書類を作り送付することも、厳しい生活状況であったが
なんとか食べるものを削ったりしながら、請求書を
送る作業から始めた。

ノウハウは図書館のマニュアルをコピーしてもらって自分なりの
手引書を作っていた。

まずこの返還請求に関しては、すべてのサラ金が請求を
無視する形であったので、手書きの訴状を作り
地裁に提訴をした。

半年以上の訴訟期間のあと和解により1社分の40万が
返還されてきた。

それを元手にさらにサラ金裁判の勉強をはじめ、
約3年間、裁判所に通い続けた。

中では、調停委員の「はした金で我慢しろ」というような
説得力の無さ、サラ金業者の心ない訴訟の対応(未出廷)
などさまざまな苦しみを味わってきたが、目的があったため
一生懸命、家族の支えのもと乗り切ってきたという。

こうして1社だけが控訴で最高裁までのぼったものの
最高裁が上告を受理したのち、すべての裁判に勝訴して
350万以上の過払い金を返還した。

あきらめないAさんの姿勢と、自分が裁判に勝つための
ノウハウを吸収しようという努力(1つ勝つごとに
その返還金を次の裁判のためのノウハウ作りや調査に役立てて
使っていたという)
が実を結んだものに他ならない。

自分は1円、1時間の債務に苦しんだのだから
裁判では決して数1千円の返還でもあきらめることはしたく
なかった、という。

そして自分は弁護士も立てずにお金がない中でも
争って勝てたのだから、ほかの多重債務者の人にも
できないことはない、がんばってとり返してほしいという
アピールを日々続けている。

過払い金請求の前に、取引履歴を請求してみる

過払い金がいくらかになるか、計算をしてみましょう

過払い金が発生してるか、計算するには取引履歴が必要になります。

取引履歴の開示には手数料がかかる場合もあり、開示手数料は業者により金額が違いますので、直接電話するかホームページで確認をし、郵送の場合は、手数料分の切手や郵便小為替などを同封しましょう。こちらも業者により方法が違いますので確認してください。参考までに、2010年1月末現在で、3社の手数料と郵送の場合の支払い方法をまとめておきます。

業者名

手数料・送料

方法

クレディセゾン

手数料:無料

送料:380円

切手

オリコ

手数料:1,000円

普通為替

定額小為替

プロミス

手数料:無料

通常ならば2週間~3週間ほどで履歴が送られてくるはずですが、ある方がご自身でイオンクレジットに電話で開示請求をしたところ、履歴が送られてくるのに2カ月から半年かかると言われたそうです。

取引履歴が手元に到着したら、履歴の内容が正しいかどうか、返済したときの明細書や家計簿などの記録、自分の記憶などを辿ってチェックします。内容に間違いがなければ引き直し計算をしましょう。

計算の一例をあげておきます。

例えば、3月1日に年利25%で50万円を借り、3月31日に2万円を返した場合。

500,000円×0.25%÷365日×30日=10,273円

この10,273円が利息になりますので、2万円を返済しても元金はわずか9,727円しか減っていません。

ところが、利息制限法が改正され、50万円の借入ならば利息は18%が上限となりました。

では、18%の利率で再計算してみましょう。

500,000円×0.18%÷365日×30日=7,397円

利息は7,397円となり、25%の利率のときに比べて2,876円も返済額が少なくてすみ、残高は487,397円になります。

たった1回の返済で約2,800円も違うのです!

次に、翌月の4月も2万円を返済しました。このときは、残高が減っていますので、計算は以下の通りになります。

487,397円×0.18%÷365日×30日=7,210円

元金の返済額は12,789円になり、残高は474,608円となります。

この計算を何年も繰り返していくと、やがて残高がゼロになり、さらには過払いになっているケースが出てきます。

ただし、50万、100万単位で5年、10年と借り入れをしていた場合、このような計算を何百回と繰り返さなければなりませんので至難の業です。とは言え、紙と鉛筆、電卓、そして“根気”があれば計算できなくはありません。

こうして引き直し計算ができたら、業者へ過払い請求をすることとなります。ただし、対応は業者によってまちまちですし、すんなりと請求に応じる業者は少ないはずです。しかし、ここで怯まず堂々と返還請求をしてください。

どうしても、請求に応じない場合は、「過払い金返済請求訴訟」と呼ばれる裁判を起こすことになります。裁判は、請求金額が140万円以下ならば簡易裁判所で行うこととなりますが、140万円を超える場合は地方裁判所扱いとなります。

できれば裁判にせず過払い金を取り戻したいところですが、相手が素人となれば、貸金業者もすんなりとは請求をのんではくれません。

そこで、少しでも早く、少しでも多く返還してもらうためにも、業者との交渉に必要な法的知識を持った専門家に頼むことをおすすめします。

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